外国語学部卒が教える、外国語学部で学べる5つのこと
高校生の中で外国語学部に興味のある方は多いのではないでしょうか。実際私の周りでも生徒からはもちろんのこと私塾関係の方から「外国語学部って結局何を勉強しているんですか」と聞かれることが多々ありましたので、今回の記事では具体的に何を学べるかを紹介できればなと思います。
※某大学(卒業校)をモデルにしておりますので、他大学とは若干の差があるかもしれませんが、ご了承ください。
専攻科目(英語)
当たり前ですが専攻科目なので、この英語の授業が半数ぐらいあります。(私の大学では午前中は基本的に専攻科目及び第2言語の時間でした。)
日本の現在の義務教育では英語を勉強しますが、私の通っていた大学では中国語やロシア語など全くの初心者から勉強する学科もありましたので、4段階の課程に区分されていました。
英語(私の専攻)に関して言いますと、読解の授業、英文法の授業、作文の授業、会話の授業で構成されていました。
読解(講読)
この授業では様々な文章を取り扱っていました。英米文学から最近の技術書、論文まで多種多様です。高校生には衝撃かもしれませんが、SVなんて考えません。(笑)基本的にその時間中に大量の文章を読んで筆者の意見をまとめるといったことや、英米文学であれば昔の英語表現と現在の表現の差異に注目しそこから討論を行ったりします。
まあ要は読めて当たりまえという感じで、1授業あたり50ページほどの内容を扱うなんてこともありました笑
Googled: The End of the World As We Know It
- 作者: Ken Auletta
- 出版社/メーカー: Penguin Press
- 発売日: 2009/11/03
- メディア: ハードカバー
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
こんな感じの本を読んで、筆者の特徴的な意見が述べられている部分に関して討論していくような授業もありました。
英文法(言語学・統語論)
確かこんな名前だったと思います。(ぶっちゃけ不得意でした笑)まあイメージとしては五文型をさらに奥深くしたものだと考えてください。多分ですがこんな書き方をしていては怒られそうですが笑(参考までに1回生の頃しかありませんでした。授業を取れば研究することもできました。)
興味のある方はGoogleで言語学の基礎などと調べてもらうとわかりやすいかなと思います。
作文
作文はエッセイを書くための訓練を行います。アイデアの出し方(ブレインストーミング)やpeer review といって学生同士で添削し合うような感じでした。一回の授業につき1エッセイを提出することが求められます。最初は400語程度のものでしたが、最終的にA4用紙4〜5枚のエッセイを提出しました。
How to Write an Essay in Five Easy Steps (English Edition)
- 作者: Inklyo
- 出版社/メーカー: Inklyo Inc.
- 発売日: 2013/03/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
会話
会話の授業は1回生の時は、日常会話から始まります。一番初めに教わるのは元気でもないのにI'm fine thank you, and you.はやめろということです。笑
加えて専門的なことも学んでいきます。例えば日本人は英語が出てこなくなるとえ〜とかあ〜とか言いがちですが、well, you knowなどやあいづち「あはぁん」のようなものを積極的に使用することが推奨されます。また腕組みや首を振ったりなどのnon verbal cueも大切な要素だと学びました。
ネイティブからすると、日本人の多くが表情から何を考えているかわかりづらいそうです。まあ日本人同士の会話であれば笑ったりするのでしょうが、対外国人になると緊張からか表情がこわばったりしているように見えるそうです。
また3回生になると、英語でのプレゼンテーション技法も学びました。有名なTED talksをモデルにし、モノマネするところから始まり、自分の主張を組み立てて、形にするという感じです。
これは参考までにですが、外国人の教授の授業には期末テストのようなものはなかったように感じています。毎回の授業でのパフォーマンスで成績が決まるという感じでした。
一般科目
外国語学部だからといって、英語ばかりやっているわけではありません。いわゆる一般教養というやつですね。私も体育や経営学、経済学、各法律など多種多様な講義を受講していました。経営学のゲーム理論などは今でも覚えています。
英語教育学
これは英語の教員免許を取得するために必要でした。ちょうど私が教職を取っていた時に、高校英語の授業が英語化されるというような過渡期でしたので、基本的に英語を使って、英語を教える技術を学びます。そのほかにも教育史なども教職必須科目としてあったはずです。
また第二言語習得理論の基本も学ぶことができましたし、それは今でも役に立っています。インプット仮説などが有名ではないでしょうか。
英語学習のメカニズム: 第二言語習得研究にもとづく効果的な勉強法
- 作者: 廣森友人
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2015/12/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
音声学
音声学では、様々な言語の発声の際の、口腔内器官の使い方などを学びました。例えば、bやpという音は両唇音という区分に当てはまり、両唇を一旦閉じることによって発声します。このような内容を英語だけではなくフランス語や中国語などとも比較しながら学びます。(舌打ちの音を含む言語もありました。)
国際法・貿易英語実務
国際間の商取引に関する法律関係やそれに伴う英語文書を題材にした授業でした。専門用語が多く含まれ、共通理解されている英語を使わなければならない点が難しい部分でしたね。
それよりも、貿易実務英語の教授が授業中に日本航空の株券(当時紙切れになりました)で紙飛行機を作って飛ばしていたことは鮮明に記憶に残っています。笑
まとめ
ざっと書いてこのような感じで大学生活を過ごしていました。外国語学部は基本的には外国語を学ぶことに加えて外国語の運用方法も学べる学部だということを知っておいてください。英語の得意な方にとってはあまり予習の必要もなくテストも高得点を取れるので比較的単位習得には困らないですが、英語のアウトプットを行う機会が多いので、発音などで恥ずかしさを感じてしまう人にとっては苦痛な時間を強いられるでしょう。(書き忘れていましたが、発音の授業もありますのでご心配なく。)